従業員のうち正社員の割合が高い業界として、建設や土木作業があります。下請け制度が依然として存在しており、互いの信頼関係により仕事の融通が行われている現状があるからです。下請け同士がライバル関係にありながらも、極端な値引き合戦をすることなく親会社の顔を立てながら仕事をする状況は、頻繁に人が入れ替わることを嫌います。決まった仕事量を多くの会社で分け合う状況下では、少ない人数で効率的に行なう必要が出てくるので、1人で複数の役割をこなせる正社員が適しているわけです。
一方、IT業界や特定の資格が必要な専門職については、派遣社員の割合が多いです。製造派遣とは異なり、各自が持ち合わせた特定のスキルや資格に対して、個別に時給が決まる仕組みが採用されているので、給与水準が高く完全能力主義制が垣間見える状況です。関係するプロジェクトごとに、更に上位スキルを狙う攻めの姿勢で仕事をする人に好まれています。将来的にフリーランスで仕事を請けたいと考えている人にとって、最適な方法と言えるでしょう。雇用形態により一括りにした見方をすることは、既に現実的では無くなっており、とりわけ派遣社員として働いている人の中には目的意識を持っている人の割合が高いことを知っておくと良いでしょう。一通りのスキルを身に付けた段階で、正社員として落ち着くかフリーランスとして一気に稼ぐ道を選ぶか、最終的な判断を個人で行なうことに変わりありません。